感謝の気持ちは、仁くんが大好きだった「梨」と共に ~あきづきの季節~

お盆を過ぎたあたりから、スーパーに「梨」が並び始め、梨を見るたびに晩年の仁くんが「シャリシャリ」と美味しそうな音をさせながら食べていた姿を思い出します。
普段、フルーツに興味を示すことがない仁くんが、昨年突然「梨のおいしさ」に気付いて、美味しそうに食べる姿を見てからは、梨を欠かさずに買うようになりました。
私自身、そこまで梨に詳しくなかったので、梨と言えば「和梨」「洋ナシ」くらいのざっくりした区別しかついていなかったのですが、和梨にもいろんな品種があり、品種ごとに出回る旬の時期があるのだそうです。
去年、梨の生産者さんから聞いた話になりますが、梨は大きく分けると2タイプあるのだそう。
皮がオレンジに近いタイプのものが「赤梨」というグループで、有名なのは幸水。
青りんごに似た色をしているタイプのものが「青梨」で、二十世紀などがこちらのグループ。
言われてみると、確かに皮の色が2タイプありますよね!
仁くんは、どの梨も大体美味しそうにシャリシャリと食べていましたが、青梨では『秋麗』という品種、赤梨では『あきづき』という品種が、特にお気に入りで食いつきが全然違いました。
少し前に、お蕎麦を食べに行った後で直売所に寄り、そこで「秋麗」に出会った!とホクホクしてブログに書きましたが、秋麗の時期はもう終わってしまい、いよいよ待ちに待った『あきづき』の季節到来!!

よっ!
待ってました!!!
スーパーに「あきづき」と書かれた梨が並んだのを見つけて、大興奮。
仁くんは「秋麗」も美味しそうに食べていましたが、梨の中ではダントツに「あきづき」に夢中で、食べても食べてももっと欲しい!と、目を輝かせておねだりするほど。
時期が終わってしまいお店から姿を消した後で、「また来年も食べようね」と言っていたのに、残念ながらもう一度梨の季節を迎えることは叶わずでした。
スーパーであきづきを手に取りながら、思わず涙がポロリ。
怪しい人と化したけれど、思いが溢れちゃって、ねぇ。
今年もやっぱり甘くてみずみずしくて、ちゃんと美味しい。
仁くんを思い出しながら、ショリショリと音をさせながら噛み締めました。
こはるちゃんにも少しお裾分けすると、やっぱり他の梨よりも甘さがあるのか、小さなお口でショリショリと食べていました。
仁おにーさまが一番好きだった梨だよ。
こはるちゃんは、どの梨が好きなのかな?
これから探して行こうね。

そうそう、SOUSOU。
こはるちゃんの出身地でありお里にあたる静岡県の病院で、仁くんは会陰ヘルニアの手術をしていただく予定でした。
治すためには手術しかない状態で、でも年齢ゆえに手術ができないと言われ八方塞りの状態だった中、手術できるということが、どれだけ希望の光だったか!!
残念ながら、手術の直前に急な心停止を起こし、仁くんは神様の元へと帰って行ってしまったのだけれど、最後まで希望を持ちつづけることができたのは、「みなとまちアニマルクリニック」という素敵な病院・暖かい医療者のみなさんに出会えたからでした。
当時のことは、語り出すと超絶長くなるのですが(通常運行ですが、何か?)、こちらで詳しく書かせてもらいましたので、めちゃくちゃ時間がある時にでもお読みください。(言っておきますが、めっちゃ長いですYO)



仁くんが旅立った翌日、お礼のお電話をさせてもらいましたが、今思うとあの時はとても深い悲しみの中にあり、きちんと感謝を伝えきれていなかったと思います。
少しずつ日常を取り戻していけるようになったら、改めて感謝のお手紙を書こう、書こう、書こう…
と頭では思っているのに、なかなか筆が重く行動に移せずに時間が過ぎていきました。
仁くんと共に「ありがとでち」を伝えるには、どうしたらいいかな?と考えたときに、
そうだ!
仁くんと「また食べようね」と約束していた、仁くんが大好きな梨の季節になったら、梨と一緒に感謝の手紙をお送りしよう!!
と思いつきました。

お礼と感謝の言葉が少し遅くなってしまいましたが、梨農家さんから収穫後に直送してもらう形で、仁くんが美味しそうにショリショリと食べていた「あきづき」を送らせていただきました。
収穫のタイミングがあり、カードやお手紙は添えられず。
農家さんから発送連絡を受けた後に、メールで感謝の気持ちを伝えさせてもらいました。
* * *
担当いただいた大山先生はじめ、病院のスタッフのみなさんにとても良くしていただいたこと。
そのおかげで、最後まで仁くんと共に「希望」を持てたこと。
どうしても手術を受けさせたい!という私の気持ちに、仁くんは最後まで付き合ってくれましたが、旅立つことは避けられなくて、でもきっと
「ここは安心できる場所だから、ここを選んで逝くね」
と、みなとまちアニマルクリニックさんを「仁くんが選んで」旅立ったのだと思っていること。
その結果、誠実で優しい先生に『心的なご負担』を追わせてしまいました。
心臓が動きを止めた後も、諦めずに仁くんのために尽力していただきましたが、その時の緊迫した状況の中で、先生の目に涙が光っていたのを覚えています。
仁くんの診察をしていただいた時にも、その後の手術までの時間も、ずっとずっと「誠実であたたかい思いやりと動物のための目線」を持ち続けていただけたことが、あの時の私たちを支えてくれました。
突然死は本当に思いがけずで心が乱れてしまいますが、最初から最後までずっと一貫して誠実であたたかく、同じ目線で仁くんを見続けていてくれたその全てが
きっとすでに「グリーフケア」になっていたのだ、と。
感謝とお礼が遅くなってしまったけれど
仁くんが一番好きだった梨は、仁くんからの「あーがとでち♡」の贈り物として、美味しく食べてもらえたら嬉しい!
* * *
ということを、お伝えさせていただきました。

ねーーっ。
仁くんの一番好きだった梨を、改めてお届けすることができてヨカッタ。
メールよりも梨の方が先に届いてビックリさせてしまったようでしたが、先生からその日のうちにお返事をいただき、あの時の先生の気持ちを改めて知ることができました。
私が愛してやまない「カワイイの塊」の仁くんの最期を、先生に診てもらえてよかった。
出会えて、よかった。
なんと!
先生が「仁くんの梨」のことを病院のブログに書いてくださっていましたので、是非のぞいてみてください。
きっともうじき、あきづきの季節も終わります。
あと少しの間に、思う存分「愛おしい味」を堪能しなくちゃ!!
ねぇ仁くん、今年のあきづきもとーーーっても甘くてみずみずしくて美味しいよ。
いつの日か私がお空に向かい、仁くんの魂と再会できる日に、浴びる程あきづきを食べたよ~っていう話をする予定だから、その日まで有言実行で浴びる程食べつくすね!!
明日は金曜日。
一週間頑張ったご褒美に、お風呂で贅沢に「まるごと一玉」食べる予定で、大玉のあきづきを買ってあります。
うふふ、お楽しみがあるから明日までがんばれる!!
エイエイオー!!