”素敵”を採用して、自分をもっと楽に、もっと笑顔に ~どんな失敗も未来に笑おう~
東京名菓と言えば、ひよこ。
ぽってりとしたかわいらしいフォルムと、どこかちょっとモサモサしていて口の水分を奪っていくのに、甘くておいしいおやつ。
東京に行く際に、時々自分用に買って帰るのですが、最近のひよこは少し「責め」の姿勢のようで、オシャレなパッケージや味わいのものが登場しているようです。
で、私が少し前にもらったのが「紅茶ひよこ」。
残念ながら、今期の販売は終了してしまっているようですが、今発売中の「塩ひよこ」というのも美味しそう。
小豆餡だなんで、絶対美味しいに決まってる!!!(じゅるり)
あぁ、そんなにまっすぐにこちらを見つめないで…。
なんて一人で悶えた後、頭からパクッといきました。
えぇ、私、そういうやつなんです。
紅茶というか、ミルクティーを食べているような柔らかい甘さ。
香ばしい外側の皮とお口の中で混ざり合って、幸せな気分になれました。
そういえば、昨年秋の魔女フェスで東京へ行って以来、東京には遊びに行っていなかったのですが、ひよこも色んな進化をしているようで
・フィナンシェ
・サブレ
・セリー
・プリン
と、どれも「ちょっ!気になるじゃない!!」というラインナップ。
これは次回東京へ行った際に、チェケラしなくちゃです。
* * *
私にしては珍しく「サクッ」とした前置きをした後は、読書感想文(?)的に本の話をしたいと思います。
術後の療養期間中に、お弟子さん仲間の花田友里さんがオススメしてくれたおかげで、西加奈子さんの本と出会うことができました。
とても素敵な作品だったので、その後別の小説も読みましたが、それも面白かった!!!
ので、図書館に行った際にエッセイを見つけたので借りてみました。
借りてきたのは「まにまに」というエッセイで、今から9年くらい前に発売されていたもの。
ですが、今読んでも全然楽しめて、思わず笑ったり、そうそう!!と共感したりしながら、あっという間に読み進めちゃいました。
いっぱい「分かる!」と思える話があって、どれもこれも紹介したいのですが、その中でも特に『この考え方、とっても素敵だなぁ~』と感銘を受け、私自身も真似して採用しようとおもったものがあったのでご紹介したいと思います。
仲の良い友人と、よく言っていることがある。どえらい失敗をして、今は笑えなくても、いつか絶対、それを肴に酒を飲もう、と。肴にするからには、失敗が大きければ大きいほど面白くなるはず。
(中略)
そして実際、昔の失敗を話の種に酒を飲むことが今あって、やはり、大変面白い。悲惨な失敗であればあるほど、笑えるのだ。「あんときのあんた、ほんま惨めやったよなぁ」などという言葉で、2杯は飲める。現在幸せだから、ということかもしれないが、それでも、時間が解決してくれることは、おおいにあると思うのだ。
(引用:まにまに/西加奈子さん著)
生きていると色んなことがあります。
失敗も、悲しみも、切ない瞬間も、惨めな日々も。
失恋した直後、しばらくは「もう恋なんてできない」「彼じゃなきゃダメ」「この世の終わり」くらいに落ち込んでも、時間が優しい手助けをしてくれて傷が少しずつ癒えてくると、いつしか『元カレトーーク』なんて笑ってできちゃったりしますよね。
穴があったら入りたい…と思うような失敗も、人に相談できずにじーーっと抱えていた夫婦問題も、その時には真っすぐに向き合うのは辛すぎて逃げ出したかったけれど、今では「あんなことがあってね」なんて話せるようになっています。
西さんのエッセイの言葉にあるように、
失敗しても、いつかそれを肴に酒を飲もう!
という言葉で自分を励まし、傷に前向きな絆創膏を貼ってあげられたら、つらさや惨めさの中にあっても、なんとか耐えることができそうですよね。
いつか肴にするんだ!
いつかちゃんと笑えるんだ!
未来にこの体験を、成仏させられるんだ!
それはきっと、痛みや悲しみ、絶望の淵にいるときに、一筋の小さな希望の光になるのだと思うんです。
『いつかこれを酒の肴に』という的確な言葉を持ってはいなかったけれど、私も本当にしんどかったときに、
いつしか絶対、この体験が私にとっての大きな財産になる
と思い、自分を奮い立たせてきました。
同じような体験をしてしまう、未来の誰かの役に立てるかもしれないし、何より同じ痛みを感じている人の背中をそっとさする優しい力に変わるだろう、と。
そして、もうすっかり大丈夫になって笑っている私を見て、今はどん底で笑うなんて出来なくても、私も未来に笑えるかもしれないと、ちょっとだけでも思ってもらえて力になれるかもしれない、と。
そう言えば、私が「藁にも縋る」気持ちで東京まで出かけ、根本さんのセミナーに参加した時のことを思い出しました。
夫婦問題解決セミナーという半日のセミナーでしたが、みんなそれぞれに悲痛な気持ちを吐露する中で、未来に希望というか、いつか酒の肴になるような、そんな話を聞かせてくれました。
あの当時の私のように、絶望に打ちひしがれ、涙ながらに「彼を取り戻したいんです。夫婦としてやり直したいんです。」と言って執着していた人が、時間を経て自分を取り戻していく中で離婚を決意して歩き出したそうです。
後日、彼女が参加していた別のセミナーで、夫婦問題を抱えた方の話を扱っていた際、根本さんが会場に向けて
この中でバツイチの人~
と声掛けすると、彼女も含め数人の女性が「はいはい!」と前のめり気味に元気いっぱい・笑顔いっぱい・自信たっぷりに挙手していた、という話。
あんなに離婚したくないってもがいていたのに、なんなら過去の体験をネタにしてドヤ顔すらできるようになるという話は、あの時には「そんなはずない!」と思ったけれど、同時に
ネタにできる日が来るなら、大丈夫だ。
私もきっといつか、今の痛みをネタに変えられるはず。
と勇気付けてもらえました。
そして実際、前のめりに「バツイチです。はいっ!はいっ!!」と自信たっぷり…ではないけれど、離婚経験があることを、はにかみながら言えるくらいまでにはなれました。
西さんの本の言葉を借りると
悲惨な失敗であればあるほど、笑えるのだ。
「あんときのあんた、ほんま惨めやったよなぁ」などという言葉で、2杯は飲める。
(引用:まにまに/西加奈子さん著)
悲惨で惨めな自分になっちゃうくらい、大きな失敗であればあるほど未来に「肴」としての価値があると思えたら、今つらい中でもなんとか耐える力になりそうです。
もちろん、渦中にいるときにはとっても辛いし、情けないし、恥ずかしいし、痛みだってあるかもしれません。
それでもやっぱり、過去を笑える未来が来ると思えることは、大きな希望であり力になります。
会社でのミスも、失恋や離婚も、家の中でのやらかしも、全部ちゃんといつか傷にかさぶたができて、そしてかさぶたがとれて傷跡に変わった頃には、
惨めだったよねぇ~。
ってしみじみと笑えるようになっていく。
これから先に、未来に「力になる」「笑えるネタになる」という見方に加え、西さんが教えてくれた
いつかそれを肴に酒を飲もう!
を採用して、自分を守って支えてあげながら、失敗や悲しみと共に立ち直るまで自分を慰め続けようと思います。
大丈夫。
あなたの失敗も、私の失敗も、いつかそれを肴にして味わい深く感じる未来が待っているから。
本を通して、素敵な考え方に出会えてにっこりできたので、同じように「いいな!」と思ってもらえる人がいたら、あなたにも届け~と思って西さんの言葉をお裾分けさせていただきました。
いつかきっと、肴にして笑おうね!!