自分の好きなことの中に、自分を助ける優しい光がある ~役立つことから離れ、純粋な「好き」を楽しむ大切さ~
春分の日を過ぎ、気分が春めく中でチラチラと降る雪。
寒い朝を向かえたけれど、気まぐれなお天気のようでお昼にはホカホカ陽気に変わってくれたので、仁くんとお散歩に行けました。
お散歩コースに、まだ若い桜の木があるのですが、寒い寒いと思っていても枝は「ムキッ」と力こぶのように蕾をつけるための準備をしていて、あぁ、もう春はすぐそこなんだなぁ~と感じさせてくれました。
余談ですが、桜が咲く前の「幹がムキッと隆々する感じ」がちょっと苦手です。
生命力とか性のエネルギーのようなものが「バーーン」と溢れてる感じがしませんか?
桜でセクシャリティ…なんて、おかしな話ですけれど。えへへ。
昨日はずっと寒い雨の祝日で、夕方から3魂で実家に泊まりに行く以外は家でまーーーったりと「とにかく好きなこと」をする日を過ごしました。
いつもより少しだけ遅くまでベッドでゴロゴロし、起きた後は生活スペースを整えて簡単なメイク。
換気をしてコーヒーを沸かし、図書館で借りてきた「ツバキ文具店」を読むためにいただき物のかわいいチョコをお供にしました。
2魂にとってチョコは食べられない「毒」ですが、私にとっては「心の栄養」アイテム!!
ちょっと前にJさんから頂いた「キツネトレモン」というシリーズのチョコなのですが、あまりにかわいくて食べるのがもったいない…と思っていた「キツネの形」のチョコと、「お花やレモンのしずく」の形のチョコを、自分のご機嫌な瞬間にパクリ。
好きな本を読む時間に、美味しいチョコと薄く淹れた豆乳入りのコーヒーがあるって最高!!
本の素敵な言葉たちと共に、美味しいアイテムが心をフワリとほどいてくれる心地良い時間が持てました。
* * *
小川糸さんの本の中で、パッとオススメを聞かれたら「ライオンのおやつ」「つるかめ助産院」と即答するのですが、「つるかめ助産院」は引っ越しの際に本を処分するつもりが、どうにも手放せなくて持ってきた本の1冊です。
最初の夫婦問題で2年程ギクシャクし、関係は全くよくならないのに、あきらめきれずに私が執着。
もうダメかもしれない…と思い始めた時期に、少しずつ彼の態度が軟化し始め、徐々に関係が修復。
結果、もう一度夫婦としてやり直そうということになり、その年の年末に「毎年恒例の夫婦での海外旅行」でスリランカへ行きました。
彼の趣味がサーフィンだったので、旅行はサーフィンができる海のある場所ばかりでしたが、私はビーチハウスでゴロンとお昼寝したり、本を読んでゆっくり過ごすのが至福の時間でした。
なので毎回、本を大量にスーツケースに入れて持って行くのが私のお楽しみ!
(当時は電子書籍は利用しておらず、紙の本を持って行っていました)
スリランカに連れて行った本のうちの一冊が、つるかめ助産院でした。
旅行から戻って3カ月で彼に恋人ができて、またしても「別れたい」って言われるなんて思わなかったなぁ。
スリランカが最後の旅になるなんて思っていなかったし、また改めて二人でスリランカに行ける日が来る時には、夫婦問題なんて思い出すこともないくらい仲良くなれていたらいいなぁ~って呑気に思っていたのになぁ。
「つるかめ助産院」の記憶がパァッと蘇ってきたのは、「ツバキ文具店」の中の離婚に関する話が出てきたのがキッカケでした。
ツバキ文具店の主人公のポッポちゃん(鳩子という名前から来たニックネーム)は、鎌倉で「手紙の代書」を請け負う仕事をしているのですが、そこに離婚を伝える手紙を作って欲しいという依頼が来るシーンがありました。
依頼主は男性で、夫婦として歩み寄りたかったけれど奥さんが別の人に恋をして他の人と歩むことにしたい…という、私と似たような状態での離婚の話。
いわゆる「浮気・不倫」で傷付いてはいるものの、ふたりの結婚生活は愛おしく大切な時間だったことを伝える手紙に、胸の奥がじんわりと暖かくなりました。
ありきたりですが、夫婦の時間を重ね、日常の平凡な幸せを味わいました。
そんな日々を重ね、お互いに理解と愛情を深めてきたつもりです。
(中略)
なんとかこのまま、ふたりで一緒にいられる方法はないものか、お互いに時間をかけて話し合いました。
時には親しい友人らに頼んで、間に入ってもらい、幸福な結末が訪れるよう、最善の道を模索したつもりです。
(中略)
これはふたりがより幸せな人生を遂げるための、勇気ある決断だと思っていただけますと幸いです。
いつかまた、笑顔で今日という日を語り合えますよう。
これまでの感謝を込めて。
(引用:ツバキ文具店/小川糸さん著)
二人の離婚を伝える手紙は、どの言葉も全て「そうそう、これを伝えたかったの!」と私の過去を代弁してくれているような文面で、本当に心の奥がふっくらして、繰り返し数回同じ文章を読んで柔らかく笑顔になれました。
本当にありきたりだけれど、この手紙にあるように
夫婦としての時間を重ねて、日常の平凡な幸せを沢山感じてきました。
苛立ったり、ささいなことに喜びを感じたり、思い切り笑ったり、深刻な話をしたり、ふたりで作ったどうでもいいような口癖やルールがあって、なんてことない日々の積み重ねが、ささやかな幸せの積み重ねだったと思っています。
最終的には手を放し、相手の人生の隣で応援をし続けることは叶わなくなってしまったけれど、結婚生活はとても愛おしく幸せな時間の積み重ねでしたし、彼とその時間を共にできたのは、私の人生の中でも「キラキラした宝物」の時間でした。
なんとかならないか?と、私も模索しましたが彼も彼なりに考えてくれたと思っています。
離婚に至ったわけですから、泣いたり傷ついたり、悲しみもたくさんあったけれど、そればっかりじゃなく「夫婦として重ねた時間は、幸せだった」って、私も離婚を伝える手紙を書くとしたら、きっと同じような言葉を書きたいと思ったでしょう。
私は全然手放せなくて、執着してこじれて、時間をかけてようやく…と離婚を選択しましたが、本の中にあった
ふたりがより幸せな人生を送るための、勇気ある決断
という言葉に救われた気持ちがしました。
そうだった!!
忘れちゃいそうだったけれど、私もより幸せな人生のために、勇気を持って自分の足で一歩ずつ前に歩き出したんだった!
本当に怖かった。
決めるにはとびきりの勇気が必要だった。
それは、ふたりがより幸せな人生になるために。
そしてさらに、私が笑顔になれた文章が
いつかまた、笑顔で今日という日を語り合えますように。
という、「夫婦として歩けた過去を、優しく大切に思い出してほほ笑める未来」がどこかにあったら素敵だなぁ~という、優しい希望の言葉。
別に意識して語り合ったり思い出す必要はないけれど、いい時間もたくさんあったことを、何かの機会で笑顔で振り返って話せたら、自分の過去が色を持って喜ぶだろうから。
離婚してから時間も経ち、よっぽどのことがないと思い出すこともないくらい「昔の出来事」になったし、彼への気持ちも恋愛や家族の情とはまた違う「大好きだった人」という形に変わりました。
嫌ったり、憎しみがある訳でもなく、残念ではあったし悲しみも深かったけれど、愛おしい時間でもあった。
私はそれをうまく表現できなかったけれど、小説の中で自分の気持ちを代弁してくれるような、それでいいんだよ!と承認してもらえたような、一つの答えをもらえた気分になりました。
きっと、お互いの幸せのために勇気を出して歩き出してから、ここまで時間をかけた今だから、小説を通して受け取れた言葉でしょうし、必要な言葉は必要な時に「思いがけない場所」から届くんですよね。
これを読むことで役に立つだろう!
という読書ではなく、スリランカに旅した時のような「私の内側が満たされるような、自由でノビノビとした楽しい読書」をしようと思って手にした本が、あったかく染みて大きなプレゼントをくれました。
そしてもう一つ、本の中にあったこの文章も素敵でした。
そんな素敵な時間を重ねても、ほんのちょっとの人生の悪戯で、生涯を誓い合っていたはずの夫婦が、あっけなく離婚してしまうのだ。
(中略)
私はまだ、死ぬまで一緒にいたいと思うほどの人には巡り合っていない。
(引用:ツバキ文具店/小川糸さん著)
もーー、ほんとに、ねぇ。
夫婦としての時間を重ね、愛情を深めてきたつもりでも、生涯側で支え合いたいと思った大切な人と離れてしまうことがあるんだもの。
ビックリしちゃうよねぇ。いやほんと。
私はとことん執着して、そんな自分が嫌いになってしまったけれど、何年もしがみついて依存しまくったのは
死ぬまで一緒にいたいと思う人に巡り合ったから
なんだと思ったら、そりゃそうだわ!!と少しウルウルしながら笑顔になりました。
そっか、素敵な出会いをしたんだ。
死ぬまで一緒にいたいと思えるほどの人に出会い、時間を重ねて側にいた日々があったんだ。
そりゃ、しがみつくよねぇ。
決められなかったよねぇ。
それほどまでに「共にいたいと思える人」に出会えて、よかったね、私!
そしてね、より幸せな人生を歩むために勇気を出して今の道を歩いているのだから、また「死ぬまで一緒にいたいと思う人」と時間を重ねていきたいな!!
うふふ。恋が実りますように!!
本を読みながら、今の私の心に響いた言葉や文章をノートに書き留めていた時間は心地よく、自分にたっぷり栄養を与えることができてすごく満たされました。
お昼を挟んで読書を続ける際に、ふっと
この本を読むのに合わせたい飲み物って何だろう?
マグカップも、いつもとは違うお気に入りを出してきた方が気分じゃない?
いただき物の紅茶に合わせるおやつは、ドライキウイが合いそう!!
と、自分の好きな時間をより心地よく過ごせるように「自分にうんとおもてなし」をしてあげたくなりました。
家にあるもので、特別すごいおもてなしではないかもしれないけれど、「今やれる範囲」で一番私が喜ぶことをしてあげよう!と用意してノートと読書の時間を続けてみたら、半端ない充実感と満足感に満たされました。
ここしばらく、「やりたい勉強だから」という側面はあるものの、忙しさに追われたり、すきま時間も「役立つこと」を優先してばかりで、どちらかというと『実用的』なことばかりを追いかけていました。
勿論それも悪いことではないけれど、私は「役に立つか」は関係なく、自分を満たすための読書や、自分をおもてなししてあげたい!と行動するのが好きだったのに、それを随分とおろそかにしていたなぁ~と気付きました。
生産性とか、結果につながるとか、そういう所は離れた
ただ心地よく、ただ私が好きで満たされることを蔑ろにしちゃダメなんだ!!
と、ともするとすぐに忘れちゃうので、自分のために書き残しておくことにしました。えへへ。
好きや心地よい、の中に巡り巡って「大事なこと」や「心の琴線に触れる」ものが隠れていて、大きな気付きや発見、自分の傷を癒すこともできちゃうんですものね。
よーーし!!
仕事に復帰するまでは、役立つとか頑張るとか成果を出すみたいなことはまるっと放棄して、自分が「心地よい」をいっぱい優先しよう。
仕事復帰したら、仕事以外の時間をできるだけ「好きなこと」にあてられるように生活リズムを見直してみよう。
だってどうせ、今は頑張る力がないんだもの。
きっと「頑張るより好きなことに身を委ねて満たされなさい」ということ…かな??
ということで、この先はより緩くマイペースに活動していくことにしようと思います。
そんなゆるゆるになる予定のオマミーヌが、相方サトヒーヌと共に「自分に優しい世界を作るためのお茶会」を4/7(日)に開催しまーーす。
その頃にはもう、桜の便りも過ぎ去っている頃かな??
花より団子!になりそうな時間を、ご一緒しましょ♡