私の愛しい宝物。
我が家の「長男」銀太さんは、どちらかというと『ツンデレのツン強め』でクールなニャンコ。
自分から甘えるのは下手で、私が寝るとそっとやってきてピトッとくっついて寝たり、甘え下手なのが私と似ている、不器用で健気で、愛情深いオトコノコ。
私は結婚していた時に、残念ながら子供を授かることはなく
けれども私に『ママだよ♡』とお母さん役をやらせてくれるギンちゃん・仁くんに出会い、楽しく1人と2匹で暮らしています。
ほんと、出来ることならギンちゃんと仁くんを産みたかった…(← ほとばしる母性?)
ギンちゃんは触られるのもあまり好きではなかったのですが、
色々あって今の生活に落ち着いてからというもの、とても穏やかでかわいい姿をたくさん出してくれるようになり、
毎日気がつくと幸せに縁取られた【グルグル】と喉を鳴らして甘えてくれるようになりました。
今では私が仕事から帰ってくると、玄関にお迎えに来てくれて(玄関に通じる扉に猫ドアが付いています。仁くんは怖がりなので猫ドアを通れず、ドアの前で尻尾をブルンブルン震わせて待ってくれています。)
最近では嬉しさ余って、グルグルいいながらでんぐり返しのように『ゴトン』と音をさせてお腹を出して、お帰り祭りを開催してくれます。
長時間は嫌みたいですが、少しの時間であれば抱っこすると額をこすりつけてきたりペロペロと私の手やほっぺたを舐めたり、
私が本を読んだりお茶を飲んだりしていると、そっと隣に来て、ペッタリとくっつくようにして寝ていることもあります。
甘え下手なのに、一生懸命甘えようとする姿が、たまらなく愛しいんです。
不器用なりに健気にアピールする姿って、きっととても魅力的に見えるんだろうな…とギンちゃんから教えてもらっています。
なので、私も甘え下手・頼るのは苦手・なんでも一人で頑張ろうとする…のを少しずつほどいて、出来ないなりに甘える練習をしていけば、その姿が『魅力になる!』と信じてゆっくりと練習の日々です。
仁くんは、もう見たまんまの『甘えん坊の末っ子』気質。
あのね!あのね!!と言わんばかりに尻尾をふって甘えてくる姿は、もう食べてしまいたい!!と思うくらいにかわいい。
天真爛漫、無邪気に自分の好きをアピールできるのも
これまた魅力の一つ。
そのまっすぐで嘘のない気持ちは、ちゃんと人の心を動かし、愛しいな・大切だな、と純粋に思わせてくれる力があります。
どちらがいい・悪いではなく
『どちらもいい』ということで、同じ愛情の表現でも、下手なのも個性、まっすぐなのも個性です。
そしてそのどちらも、愛情を向けられた人からすると、暖かく嬉しく、かわいいな…と心から思えます。
今日はギンちゃんについて、少しお話をさせてもらおうと思います。
グレーの毛並、緑色のガラスのような美しい目、太陽のようなホカホカの香り、しなやかでスラッとした体躯、小さな顔、ピンとたった耳、小豆色の肉球、しっかり張りのある立派なおヒゲ。
他にもあげればキリがないくらい魅力があるのだけれど
長くてユラユラと気持ちを表現する尻尾も、ギンちゃんの大切な自慢の一つ。
その尻尾は、5年ほど前に、私のせいで先端を5cm以上断尾することになり
うんと短くなってしまいました。
当時はまだ、私は結婚していて、一度目の夫婦の危機を迎えていました。
ある日突然『結婚する前から好きじゃなかった。子供もできなかったしこれ以上一緒にいる意味がない。妻として見れないんだから、離婚してほしい』と言われ
何がなんだか分からずに、ただひたすら自分を責めて、なんとかやり直せないか?と彼にすがる日々でした。
離婚を告げた彼は、それまでに見たことのないような冷酷で他人行儀な姿になり
顔を合わせるたびに暴言や私の価値を否定する言葉、夫婦としての時間を全否定するような事ばかりを並べ立てていました。
もちろん、私自身の精神状態もとてもではありませんが良いものではなく
彼が発する暴言を真に受けては傷付き、毎日毎日、新しい傷をより深くして行くような日々で、我が家に流れる空気は、不穏そのものでした。
離婚したいという彼に対して、やり直せないか?と懇願する私の話し合いは、いつも平行線で噛み合うことはなく
私達が話し合いの場に着くと、それまで好きな場所で寝ていたはずのギンちゃん・仁くんはぴったりと2匹でくっついて丸くなって、こちらの様子を心配そうに『感じて』いました。
夫婦問題が起きたとはいえ、ギンちゃんと仁くんが不安そうにしているのを察し、出来るだけ2匹の前では泣かないようにしたり、元気な声をかけたりしていましたが、彼が『パパっ子』だったギンちゃんだけに声をかけ、露骨に仁くんを無視するようになると
仁くんもションボリしてはいましたが、それ以上にギンちゃんが心を痛めて追い込まれていきました。
※仁くんは甘えん坊で私にベッタリ…だったので、当てつけのように無視していたようです
※とはいえ、完全に無視ではなく、私のいないところでは抱っこしたり撫でたりと、本当はとっても可愛かったのだと思います
ふと気がつくと、いつも毛づくろいをしている姿を見るようになり
特に尻尾を舐めている時間が長い…と尻尾を見てみると
グルーミングしすぎた尻尾の先端は毛がなくなって皮膚が見えていて、先端に小さく赤く滲んだ点がありました。
あ、出血している…
その傷は、わずか2mm程度でしたが、目を離すとグルーミングしてしまうので、一向に良くならず
毛づくろいをしないようにとエリザベスカラーを買ってはめてみるものの、尻尾の先端はエリザベスをしていても届いてしまい、日に日に傷が広がっていきました。
傷に気がついて4日後、獣医さんに診てもらうと
過剰グルーミングでの傷というのは、あまり良いものではなく
先端から化膿してしまったり、傷が痛くてきになるのでまた舐めてしまう…を繰り返してしまうため、最悪『断尾』をすることになると言われ
傷が化膿しないように抗生物質をもらい、傷にはテーピング・エリザベスをしての日々が始まりました。
私が仕事から戻ると、大体テーピングは外れてしまっていて(尻尾なので動くと取れてしまう)
エリザベスをしていても尻尾の先端が口に届くこともあり
和室に敷いていたカーペットに、いくつも血痕が広がる日々が続きました。
尻尾なのでユラユラと動くたびにシュッシュッと出血して血が飛び散り、
家中至る所に血が飛び散るようになり、
ギンちゃん自身もグッタリと横になるようになりました。
大事な尻尾ではあるけれど、断尾することを決意し、ギンちゃんは傷のあった尻尾を5cm近く手術で切断しました。
この時、先生からは「相当ひどい貧血になっていた」と言われ
決断したことはいい選択だった、と言ってもらえましたが、私の心の中にはとてつもなく大きな鉛を飲み込んだような、苦しさと申し訳なさとでいっぱいで
悪化していく夫婦関係に追い打ちをかけるように、自分で自分を責める日々でした。
ギンちゃん・仁くんを家族として迎えると決めた日に
最後まで愛し抜いて、不自由なく幸せに「くう・ねる・遊ぶ」の一生を約束すると決めたのに、私はギンちゃんの心を傷つけて不安定にさせ
何一つ不自由のなかった大切な身体の一部を切断する事になったことが
悔やんでも悔やんでも、悔やみきれず
また自分の不甲斐なさと飼い主として失格である事に、長い時間自分を許すことができませんでした。
幸い、4日ほどの入院で尻尾の手術もうまくいき、貧血もかなり改善し
ギンちゃんはお迎えに行くと、みゃーーと小さくないて体を私に擦り付けて甘えてきました。
ごめんね。ごめんね。
何があっても守るって約束、1つ破っちゃったね。
でもこれからは、今まで以上にギンちゃんと仁くんを大切に、絶対に守るからね。
退院したギンちゃんと、ギンちゃんが突然いなくなって不安がっていた仁くんをぎゅーっと両手で抱きしめ、おいおい泣きながら約束したあの日のことは
今でも鮮明に思い出すことができます。
その後、彼はギンちゃんの入院・断尾を気にしたのか
少しずつ態度を軟化させ、また少しして頑なになる…を繰り返しながら
何がきっかけかは分からないけれど、
また夫婦としてやっていこう
という言葉を聞くまでになり、壊れそうだった夫婦関係は、一度修復をすることができました。(その後、また壊れて離婚に至りましたが…てへへ)
獣医さんからは、精神的に不安定になると過剰グルーミングするネコちゃんは少なくないこと、できる限りのことをした上でのギリギリの決断だったこと、尻尾が短いというのも、またギンちゃんの個性として魅力が一つ増えたと思ってあげればいい、と言ってもらい
自分のせいで…という思いは完全には無くすことはできないけれど
この言葉に救われたのも事実です。
別居をして、それは望ましいことではなかったけれど
私がギンちゃん・仁くんを引き取り、穏やかでのんびりした生活を取り戻すと
ギンちゃんはどんどんと「ツン」をなくして甘えん坊になり
今では『無類のマミコ大好きっ子』になりました。
私はこの子達に、どれだけ救われ、笑わせてもらい、安心感と力強さ、守っていきたいと思える勇気をもらえているか分かりません。
最後まで、家族として私と彼が両親役をやることはできなかったけれど
私は思いっきり愛情を持って、日々、ギンちゃんと仁くんに『大好きだよ』を伝え続けています。
え?
私からの「大好き」の告白に対する二人からの答え??
もちろん、両思いだね♡
をもらっています。
人生は自分の思ったものとは違う道を歩くこともあるけれど
どんな道でも、ギンちゃん・仁くんが一緒なら、それが私の道です!
ギンちゃん・仁くん、
改めて出会ってくれて、私と暮らしてくれて、私を全身で愛してくれて、ありがとう。
私も同じように、ギンちゃんと仁くんが大好きだよ。
尻尾が少し短い、そしてそれが突飛つすべきデリケートさの象徴であり、優しさのチャームポイントとなった、超イケメンのギンちゃんと、マミコと甘えん坊の仁くんを、これからもどうぞよろしくお願いします。
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