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『ペットロス・離別・失恋』サヨナラの痛みと哀しみを癒す心の保健室 ~あなたの傷に優しく絆創膏を貼るお手伝いをしています~

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あなたのそばで ~柔らかく優しく読める本~

マミコちゃんが好きだっていうご本の紹介するそうでちよー

もう何回読んだっけ?と思う本が私には幾冊もあります。

結婚していた時、毎年末ちょっと長い休みをもらって海外旅行に行っていました。
旦那さんだった人がサーフィンをするのが趣味で、私はビーチでゴロゴロしながら本を読むのが至福で、スーツケースにいつもたくさんの本を詰めて旅に行きました。

大体は読み終わるとホテルのプールにくっついている本棚にそっと「寄付」して帰るのですが「もう一度読み返したい」と思う本は連れて帰ってきていました。

【あなたのそばで】(野中 柊さん著)も旅行に連れて行き、海外の海辺で太陽を浴びて読んだ後でまた連れて帰ってきた一冊。

年に1回くらいは引っぱり出して読み返しています。

野中 柊さんと言えば、美味しいエッセイが有名で「食べちゃえ!食べちゃお!」という過去にan・anで連載されていたものをまとめた本も、なんて美味しそうなんだろう…と何十回と読み返しました。
(これは何度も読んだ後で海外に連れて行き、プールサイドの本棚に寄付してお別れしました。)

美味しいエッセイの中に登場した『サンティー』という飲み物を真似して作ったことがあります。
透明のガラスの容器にお水と紅茶のティーバックをいれて、朝、日のあたる場所に容器を置いておき、太陽の光でじっくりと水がお湯に変わっていき琥珀色のお茶が出来上がるといいうもの。
なんてロマンチックなお茶なんでしょう!!
本を読んだときはまだ冬で、すごーーく憧れを募らせました。

そして、夏の太陽の光でしっかり熱く溶けだしたお茶を、用意したお菓子を食べながら飲みたい!!とワクワクを叶えてあげた日。

…ん??

私は普通の紅茶のティーバックを使ったのですが…

オモテタノト、チガウ

なんというか、太陽=オレンジなイメージがあり、勝手に香り付きでイメージしていましたが、当たり前ですが普通の紅茶の茶葉をいれていたのですから、ただの紅茶(JUST紅茶)な味しかしないんですよねー。

で、オレンジティーなる柑橘系の香りの紅茶でリベンジしてみたところ、うんうん、イメージと近い感じ!とご機嫌になれました。
でもね、別にものすごく美味しいとかそういう訳ではないんですが、やってみたかったことをやってみたという「おまけ」の嬉しさがくっついてきて美味しく感じられました。

はっ!!
ご紹介しているのは「食べちゃえ!たべちゃお!」ではなく『あなたのそばで』という本なのに、話が横に逸れまくりマ…(省略)でしたね。

てへっ。
でもこれが、イッツ ア マミコ・スターーーイル!(← でたー。開き直り。)

どんな内容の本なんですか??

『あなたのそばで』は、様々な形の恋を描いた6つの短編集。
年の差婚(高校生の女の子と社会人の結婚とか)、先生と生徒の恋、不倫のお話などなどがオムニバス形式で綴られているのですが、野中さんの小説はふんわりとしていてどことなくピュアで、少し薄味。

年の差婚の話しから始まるので「好き嫌い」が分かれそうですが、野中さんならではのお料理の描写が美味しそうで、同じように「恋」も美味しそうに描かれていて、恋に生きる登場人物がみんなそれぞれ『あなたのそばにいたい』気持ちが伝わってくる小説なんです。

前の作品に登場している人物が次の作品の主役になるリレー形式のような形も「うふふ」と嬉しくなっちゃいます。
そして最後のお話に最初のお話が登場するのも、またとっても嬉しい。

刺激的な恋愛小説に慣れていると、少し物足りなさを感じるかもしれないのだけれど、とにかく「ふんわり」「柔らかい」感じがこの小説のよさなのだろ思っています。

どの短編も素敵なのですが、特に私が好きなフレーズを少しだけご紹介しちゃいます!!

まずは最初の話に出てくる「年の差婚」カップルの結婚記念日のお話のこの部分。

好きって言葉や思いには、魔法のパワーがあるらしい。その言葉を唱えれば唱えるほど、その思いを膨らませれば膨らませるほど、目に入ってくる風景は色鮮やかに輝き、日常の物音はメロディのごとく心地よく耳に響き、私は素直で気持ちのいい女の子になって、周囲の人たちにもそのエネルギーは伝わっていった。
(野中 柊/あなたのそばで:オニオングラタンスープより)

じゃあ、一生、だれよりも、私を好きでいて。私だけを見て。私だけを味わって。
(野中 柊/あなたのそばで:オニオングラタンスープより)

キスをしながら、なんとなく思った。恋というのは、オニオングラタンスープを作る時と同じことなのかもしれない。苦味が出てはいただけない。しんなりと飴色に染まって、ほのかな甘味が舌の上に広がるくらいがちょうどいい。
(野中 柊/あなたのそばで:オニオングラタンスープより)

「好き」という言葉の持つエネルギーが軽やかに描かれていて、同時に「ずっと誰よりも私を好きでいて」という気持ちに胸がキュッと窪んじゃいます。

そして、苦みが出てはいけない…

ほんのりと甘さを残した、そんな気持ちをもった恋をしたいと思わせてくれませんか??
くー、ほのかな甘味が舌の上に広がるような優しいキスを私もそう遠くない未来にするんだい!!(← 握りこぶし)

女の子らしい恋・少女マンかの恋みたいなの大好きでちもんね!

え、えへへ。
オニオングラタンスープ(短編)の言葉をいくつかご紹介しましたが、他にもこんなに素敵な言葉の散らばった本なんです。

いつの日か-きみは僕に出会うよ。
僕を好きになるよ。
僕もきみを好きになるよ。誰よりも。
(野中 柊/あなたのそばで:光より)

「この世界は、結構楽しいぞ」と僕。
「幸せになるために生まれてくるのよ」と千鳥ちゃん。
(野中 柊/あなたのそばで:さくら咲くより)

いつの日か、好きな人から「僕にきっと出会って好きになるよ」って思われたらどんなに素敵でしょう。
誰よりもお互いにお互いを好きになれる「恋」ってなんて素敵なんでしょう!!

最後の話に出てくる「お腹の大きな妊婦さん」に向けたカップルの言葉も、とっても素敵ですよね~。

幸せになるために生まれておいで!って呼びかける事も、自分が暮らすこの世界が結構楽しいと言えることも、ほんとに素敵だな~とニッコリします。

短編集なので、毎日1話ずつ読むのもいいですし、好き嫌いはきっと分かれそうですが、ふわっとやわらかく微笑みたいときにオススメの一冊です。

この本を連れて、またいつか私は旅に出たいと思っています。
大好きな人と一緒に、ビーチでのーんびりこの本を読んで、ありがとうって言ってこの本を閉じた後で、プールの本棚にそっと寄付したい。
そしてまた誰かの幸せな休日のお供にこの本が優しい言葉をリレーしてくれたらいいな、と夢見ています。

いつの日か、私もあなたのそばで恋を実らせ笑っていたい。
あぁ、やっぱり恋の話っていいですね~。

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