魔法の声がけだなぁと思った先生の言葉 ~毎朝聞き続けている言葉~
朝ごはんを食べる時にテレビをつけたら、今日は東京方面でも警報級の雪予報だとか?!
私の住む新潟市は「豪雪地帯・新潟」の中にあるのに、実はそんなに雪深い地域ではなく、今年はありがたいことに幾度かやってきている寒波の際にも「数センチ」程度の積雪で済んでいます。
箱根の映像を見て「ひえーーー」と積雪量に驚き、今現在、私のいる病院の窓から見える新潟市は積雪もなく、なんだか逆転して見える雪景色にビックリしています。
雪国であっても積雪があると交通渋滞が起きたり事故も増えます。
何より、足元が危険で歩く速度だって遅くなりますし、日常生活に影響が出ますものね。
雪に慣れていない地域であればなおさらだと思います。
くれぐれもお気をつけて、暖かくしてお過ごしください。
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入院生活も今日で8日目。
「入院予定表」と書かれた入院~退院までのスケジュール(仮)が書かれた紙によると、9日目に退院前診察があるのですが、明日が祝日で外来が休みになるため1日早い今日、術後の診察をしてもらいました。
血液検査の結果も良好で、貧血も「やや貧血より」ではあるものの問題なし!
尿検査の結果が遅れているようで詳しくは聞かなかったのですが、こちらも問題ないうえであと数日のうちに体調の急変がなければ、予定通りに日曜に退院できますよ!と言ってもらえました。
診察室で初めて「摘出した子宮と卵管」の画像を見せてもらい、どこがどう変化していたかをザックリ説明してもらいました。
正直、医療関係の知識がないので「ここが腺筋症ね」などと病変の場所を教えてもらっても「そうなんですね…」という反応しかできず…。
摘出した臓器の下に物差しのようなものが置かれていて、それによると『19センチ』まで子宮が大きくなっていたそうです。
これもまた、基準が全く分からないので「そうなんですね…」という微妙な反応しかできなかったのですが、写真を見ても分かるくらいボテッと厚みがあって、この厚みが増していくことで生理痛や月経過多につながるんだろうなぁとぼんやり思いました。
子宮・卵管を摘出と言っても、膣とつながりのある子宮頚部は残してあるそうなので、子宮がん検診は必要なのだそう。
また、切断した部分の縫合の関係で術後に出血がある場合があるようなのですが、私は幸い「超微量」で済んでいるので、なんと退院したらすぐにお風呂もOK!!
WOW、すごーーーい。
4年前に腹腔鏡手術をした時は、術後2週間検診まではお風呂はNGでシャワーのみと言われていたので、今回も同じかな?と思っていたのですが、寒い時期なのでお風呂OKは本当にありがたい。
退院後に湯船にちゃぽん!が楽しみです。(いい匂いのバスミルクも買ってありますし♡)
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冒頭の仁くんを置き去りにしていましたが、入院の準備の際に子宮摘出手術を受けた方のブログに書かれていた「持っていくといいもの」を参考にさせていただいたのですが、その中に
全身麻酔で気管挿管すると、のどが痛くなる人もいるので「のど飴」があるといい
という話を読みました。
病院の売店に行ければのど飴も買えるのだとは思うのですが、コロナの影響で入院中に売店への出入りが禁止されているため、のど粘膜が少し弱めなこともあり「念のため」にコンビニで小さいサイズののど飴を買っておきました。
実際、のどは数日ヒリヒリしていたのですが、術後すぐは絶飲絶食のためのど飴は舐めれず。
お水の許可が出てから1粒のど飴を舐めましたが、これがよかったのか(?)その後は徐々にひりつく感じも収まり、ミニサイズでも食べきれず…という感じで残っています。
全身麻酔での手術後は、どうしても傷の痛みなどの方に意識が向かいますが、のどがヒリヒリするのも地味に辛いですよね。
のど粘膜が少し弱め…という方は、のど飴があると安心できると思います。
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今日は退院前検診で外来へ行きましたが、入院してから毎朝、主治医の先生が病状確認や傷の確認などにやってきてくれます。
私のお世話になっている主治医の先生は「おじーちゃん先生」で、言葉も多くはなく少し独特で、ちょっとぶっきらぼうな感じがあるのですが、外来で見る時とは違い、毎朝病室に来てくれる際の言葉で「あっ」と気付いたことがありました。
手術翌日、まだベッドの上から起きれない私の所に来てくれた際は
「術後だからね。まぁ、今日はちょっと辛いかもしれないけど。ここから、どんどん良くなっていってくださいね。」
とそれだけをいつもとは違う笑顔を見せてつぶやいて病室を後にしていきました。
そっかー。
確かに術後すぐで痛みや不自由はあるけれど、不調の原因となるものを取り除いた後は、回復していくだけなんだよなぁ。グングンよくなっていくのを感じて行けばいいんだもんなぁ。
と、まだいくつもの管に繋がれて不自由な中で希望を見たような気分になりました。
言葉は少なく、その言い方も不器用だけれど、きっとたくさんの患者さんたちと接する中で、こうやって励ましてきたんだろうなぁ。
翌朝以降、先生はノックの後に「●●です」と名前を告げたのちに病室に入ってくるのですが
はい、おはよう。
順調かな??
と言いながら入ってくるんです。
「調子はどう?」「痛みはある?」などの言葉ではなく
順調かな??
とポジティブな質問をしてくれると、それに合わせて「順調なところ」を見るスイッチが入るんですよね。
そこで「順調な部分」について返事をした後、気になる事についてちょこっとだけ話をするのですが、帰り際は必ず
また今日も良くなっていってくださいね
と言って去って行きます。
魔法の言葉じゃないですが、今日1日が過ぎればまたちょっと良くなっていくんだなぁ~という「プラスな考え方」に切り替えられて、入院中はともすると気分も暗くなりがちなので、プラスな声がけって気持ちが明るくなっていいなぁ~とニッコリさせてもらっていました。
昨日の夕方、先生立ち合いで術後からずっと傷の上に貼ってあったドレープを外してガーゼに置き換える(この状態で1日置いてからテープ処置になるそうです)際にも、処置をしてくれる看護師さんが淡々と作業している中で
ちょっと、ほら。
寝ていて自分の傷が見えないんだから「きれいな傷ですよ~」とか教えてあげなさいよ。
と突っ込みながらも、私に対してこんな言葉を続けてくれました。
あなた何歳だっけ?
そう、じゃぁこれからまだ50年楽しめるね。
不調の元がなくなったから、これからどんどん楽しめるねぇ。
よかったねぇ、人生楽しみなさいよ。
何を根拠にあと50年なのか…と、看護師さんと二人でその後に笑いあったのですが、手術を決める前に先生から「子宮を取ることで大きな喪失感を感じる人もいるから、そこもよく考えて決めるように」と言われていたのを思い出しました。
女性としての象徴のように言われている子宮は、確かにやっぱりどこか「精神的な面で特別視」している部分があると思います。
かくいう私だって、摘出と言われて全く悩まなかったわけではありません。
精神的な部分も含めですが、自分の体の中に備わっていたものを「喪失」するわけですから、やっぱり気持ち的に塞いでしまったり、どこか心がスースーする感じを持つ人もいるでしょう。
そんな気持ちを抱える人に、きっと「失ったもののもあるけれど、それが生活を不自由にしていたんだから、この先の人生は楽しい事に挑戦できるんだよ。その選択はあなたを自由にしてくれたから、いっぱい楽しいことをして、自分を喜ばせてあげてね。」というエールなんだろうなぁ、と私は受け取りました。
子宮があるから必ず子供が授かるというものではないものですが、子宮がなければ子供をお腹の中で育むことはできません。
子宮を摘出するというのは『この先に子供を持つ可能性のある人生を失う』訳で、得ることのできなかったもう一つの人生を思えばしょんぼりしちゃうこともあるけれど、それでももう一つの人生を楽しんでいけばいいんですものね。
子宮があってもなくても、私の人生は続いていきます。
手術を経て傷や痛みを見ると「体の中には子宮がないんだなぁ」という事は分かるのですが、正直言うと
あってもなくても、分からない
んですよね。
生命維持に関わる臓器であれば、日常生活での体の変化があるのだとは思いますが、先生曰く「子宮は子供を育てる時には働くけれど、それ以外の仕事はない」という通り、拍子抜けしちゃうくらい何も変わりませんでした。
私の人生を生きるのは、私。
ならば貧血の原因も取り除けたならなおさらに「楽しんで」生きることが出来るんだ!とニッコリです。
順調かな??
という毎日の魔法の声がけのおかげか、私はとっても順調です。
外来に向かう際、他に一緒に移動した2人よりもゆっくりした歩幅でしか歩けなかったけれど、みんなが同じ手術を受けているわけではありませんし、人より遅くたって「これが私の歩幅でいい」と、どんどん引き離されても自分の歩幅でいいんだぞ!とテコテコと後ろからついていきました。
だって、これが…
マミコ・スターーーーイル!!!
そうそう!!
病室のテレビを見る際に必要なテレビカードの残金を示す数字が「555」とゾロ目になっているのを発見して
やだー、なんかいい事あるかも♡
研修医・斎藤 工さまが病棟内を歩いているかしら?
と、談話室まで歩いて行ってみましたが、残念ながら私の工さまは現れずでした。
でもね、退院まであと3日。
どこでひょんな形で工さまが現れるか分かりませんもんね。
ではでは、祝日前の1日が雪深くならずに終われますように。